社内外から評判を集めた「100年分の映画作品が検索できるサイト」制作プロジェクトの裏側

松竹株式会社は、100年続く映画事業で手掛けてきた作品を、すべてまとめて検索できるWebサイトを立ち上げたいと考え、SITEMANAGEを導入しました。Webサイトの制作や運用を担当したメンバーは、制作にも運用にもあまり経験がありませんでしたが、直感的に操作できる管理画面で、すぐに運用に慣れることができたといいます。

SITEMANAGEを導入した経緯や決め手、開発過程、ローンチ後の成果、今後のビジョンなどについて、詳しくお話しいただきました。

課題

  • 松竹の映画事業で手掛けてきた過去作品をまとめ、検索できるサイトをつくりたい

施策

  • アイデアとその実現性のバランスが良かった
  • サイトの制作や運用が初めてでも、リードしてもらえると感じた

成果

  • 社内からは「このサイトができて良かった」という声が聞かれた
  • 古くからの松竹映画ファンだけでなく、若いファンにも訪れてもらえるサイトになった

100年分の映画作品をまとめたサイトをつくりたい

―最初に、松竹の事業内容についてご紹介いただけますか。

吉田様:松竹は1895年に創業してから、120年以上続くエンターテインメント会社です。演劇から始まって、映画などの映像部門に進出し、現在も主に演劇と映画を生業にしています。

松竹担当者:吉田様

吉田 直子様 松竹株式会社 映像本部 メディア事業部 宣伝販促室 室長

―どのような背景で、SITEMANAGEの導入に至ったのでしょうか。

吉田様:松竹は、映画の事業を始めてから100年ほどが経ちますが、これまで手掛けてきた映画作品をすべてまとめたサイトがありませんでした。しかし、コロナ禍になって家で過ごす時間が増え、最近話題になっている映画だけでなく、過去の作品も見ていただけるような機会が広がってきました。そこで、松竹にはどのような映画があるかをもっとアピールするために、網羅的に松竹の映画作品が探せるWebサイトをつくりたいと考えました。

サイトの制作にあたり、シフトさんを含む何社かにお声がけし、コンペを行いました。その中で、シフトさんはアイデアとその実現性のバランスが良く、それに加えてこちらにサイト制作の経験が少なくてもきちんとリードしてくれると感じ、SITEMANAGEの導入を決めました。

―具体的にどのような提案が良いと思われましたか。

吉田様:本当に実現できそうなアイデアをいただけた点ですね。こちらのイメージが何もない状態で相談したので、他社からは独創的なアイデアの提案もいろいろいただきましたが、それは実現が難しいのではないかと思うものも多くありました。一方で、シフトさんのアイデアは実現のビジョンがとても見えやすかったんです。

重森:コンペの提案では、イメージとしてサイトのトップページやDVDのトップページ、作品の詳細ページのワイヤーフレームを作成して、それぞれのコンテンツの意図をお話しさせていただきましたよね。そこである程度イメージをつけていただけたのかなと思います。

吉田様:そうですね。情報も整理されていたなという印象でした。あと、サイトローンチ後のマーケティング面も含めて、トータルでサポートいただけるという点も心強かったですね。サイトの開発に携わってくださるメンバーそれぞれの役割も明確化されており、これなら安心してお任せできるだろうと感じました。

―他社と比較された中で、他に良いなと感じた点はありましたか。

吉田様:どこかのポイントが突出しているという会社もありましたが、シフトさんは総合的なバランスが良かったと思います。過去にエンタメの会社の案件を手掛けた実績があることも大きかったですね。

どんどん湧いてくるアイデアの実現方法を検討してもらった

―導入決定から、サイトローンチまでの主な流れを教えてください。

シフト担当者:重森

重森 侑 シフトWebディレクター

重森:2022年の4月上旬にコンペがあり、6月頃から打ち合わせをスタートしましたね。要件定義にはじっくりと時間をかけ、週1回2~3時間のミーティングを9月頃までの約3か月にわたって行いました。そこから開発を始め、12月頃にはほぼ開発を終えて、年明けから当社内でテストを行い、その1~2か月後に松竹さんにお引渡ししたという流れでしたね。

吉田様:そうですね。3月頃に管理画面の操作やサイトの更新に関するレクチャーを受けて、2023年6月にローンチしました。ローンチまでに、作品の登録や細かな操作ルールの設定、バナーの作成など、いろいろな準備を進めましたね。

―要件定義では、たとえばどのような内容の打ち合わせをされましたか。

吉田様:最初はシンプルに、もともとサイトに掲載したいと思っていた情報を、どのように入れていこうかという話から始まりました。そこから、こちらでどんどんアイデアが出てきて、たとえば1年の中で制定されている記念日にちなんだ映画を紹介するコンテンツや、映画に出てくるセリフを紹介するコンテンツなど、これがあったら面白いよねという内容を固めていきましたね。シフトさんには、それがどのような形であれば実現できるかを検討していただきました。

飯塚:松竹さんのご要望から外れないよう心掛け、かつプログラムのルールとしても難しくならないことを念頭に置きながら、要件をまとめていきました。

重森:私が個人的に面白いなと思ったのは「あの頃映画」でしたね。「あの頃映画」は、自分の生まれ年を入力すると、何歳のときにどのような作品が公開されたかということが見られるコンテンツです。たしか、カラオケの曲検索をヒントに生まれたアイデアでしたよね。

吉田様:そうですね。自分の歴史と重ね合わせて、そういえばこういう映画があったな、懐かしいなと思ってもらうことで、親しみを感じてもらいたいと考えました。

飯塚:親しみやすさという部分では、ユーザー目線ではどうしたら見やすく・面白くなるかということを工夫しましたね。「あなたが〇歳の時の作品」というユニークなインターフェースを採用し、ボタン名1つでもサイトに入り込めるよう営業ディレクターやUIチームなどとも協議を重ねました。「もっと見る」を押すとその公開年の作品一覧に遷移できるよう、回遊性も意識したコンテンツにしております。

シフト担当者:飯塚

飯塚 裕太 シフトプロジェクトマネージャー

飯塚:映画に出てくるセリフを紹介する「今日のちょっと良いセリフ」もいいですよね。こんなに良いセリフがあるんだと思いますし、松竹さんの作品は本当に幅が広いなと分かります。

吉田様:そうですよね。印象に残るセリフが結構あるので、そういうものを見せられるようなコンテンツにしたいと考えました。あと、作品ごとの詳細ページはすべてフォーマット化してしまわず、それぞれの作品の事情に応じた情報の掲載の仕方ができる形を検討していただきました。

Webサイトの運用が初めてでも、操作は難しくなかった

―できあがったサイトの管理や操作には、すぐに慣れましたか。

吉田様:開発を終えた3月から6月にローンチするまでの約3か月で、少しずつ作品を登録しながら慣れていきました。管理画面がとても見やすく、直感的に操作できるようになっているので、一度慣れてしまえばそんなに難しいことはありませんでしたね。図やイラストをパッと見て、ここかなと思って操作すれば、だいたい合っていますから。

現在は5人で運用しているのですが、実はWebサイトの運用が初めてのメンバーばかりなんです。それでも特別大きな問題はなく、徐々に慣れていくことができました。

―ローンチから数か月が経ちましたが、実際に運用してみていかがですか。

吉田様:ニュースなどの表示ページも管理画面も、文字がとても読みやすいと感じています。他社のCMSを少し使ったことがあるのですが、それは文字が小さくて少し読みづらいなと思っていたんです。その点、SITEMANAGEは、運用する側にとっても、サイトを訪れる方に対しても、全員が読みやすい表示のされ方だと思います。

―ローンチ後のシフトのサポートについては、いかがですか。

吉田様:実際に使って初めて分かることもあるので、うまくいかないことがあればちょっとしたことでも随時相談をして、対応していただいています。たとえば、指定した日時に投稿を予約できる機能があるのですが、予約するときに投稿後のページの見え方をプレビューできる機能がほしいと相談して、追加していただきました。本当にずっと一緒に伴走してくれているなという印象ですね。

シフト担当者:重森

重森:シフトとしてもただ作って終わりということではなく、お客様と末永くお付き合いさせていただきたいと考えております。

webサイトはリリースしてからがスタートになります。どのようにサイトが成長していくのかを一緒に考えながら、マーケティングの集客施策やユーザーさんに興味を持ってもらえるようなコンテンツの追加、運用する方の作業効率化を進めていきたいと思います。

社内や他社からもサイトの評判は上々

―ローンチ後、何らかの成果があれば教えてください。

松竹担当者:吉田様

吉田様:ローンチ後、社内にこのサイトを周知したのですが、松竹社内でも作品をまとめて検索できる場がなかったので、過去の作品を改めて見たり、こういう作品があるんだという気づきにつながったりもしているようです。「このサイトができて良かった」という声をもらうこともあります。他の映画会社で同じように旧作の運用を担っている部署の方々からも、「やっぱりこういうサイトは必要だよね」とお褒めの言葉をいただきました。

一般のユーザーさんに対しては、これからまだまだこのサイトの認知度を上げていかなければならない段階ですが、どのような年代の方にも見ていただきたいという気持ちで、デザインには可愛らしい要素も取り入れました。松竹映画にはシニアのファンの方が多くいるのですが、サイトのユーザーさんには30代の方も多く、狙い通りに幅広い年代の方に訪れていただけていると感じています。

マーケティング面では、シフトさんにSEOコンテンツの制作をサポートしていただいているのですが、映画紹介の記事をリリースしてすぐに「邦画名作」というキーワードで検索上位に上がりました。依頼しているライターさんは、記事上で紹介する映画をすべて見たうえでコメントを書いてくれるので、とても品質の高い記事ができています。

―改めて開発から運用までを振り返ってみて、SITEMANAGEを利用して良かったと思う点は何ですか。

吉田様:最初にサイト制作を決めたときは不安しかありませんでしたが、シフトさんがこちらのニーズをとてもよく理解して一緒につくってくれたので、実際に使いやすいサイトができあがって本当に良かったと思っています。

特に要件定義では、シフトさんに「この要素は必要かどうか」など、いろいろなシチュエーションを想定して問いかけていただき、そこで初めて、それも考えなければいけないのだなと気づかされることが多くありました。サイト制作は初めての経験だったので、そうしてリードしていただけたことも良かったなと思います。

重森:シフト社内でも、UIUX、デザイン、営業ディレクター、PM、マーケ、設計など、あらゆるチームを巻き込んで話し合いました。全社で考えたと言っても過言ではないほどです(笑)。

―今後、SITEMANAGEをどのように活用していきたいですか。

吉田様:今後は、とにかくきちんと運用をやっていきたいなと思っています。良いものができたので長く使っていきたいですし、シフトさんのマーケティングチームのお力も借りて相談しながら、多くの人に訪れてもらうための施策を打っていきたいと思っています。目下の課題は、シフトさんに教えていただきながらGoogleアナリティクスの活用の仕方を習得することですね。

動画配信サービスでは、自動的にレコメンドされる作品の中から見たいものを選ぶことがほとんどですが、今回構築した「松竹シネマプラス」では、気分に合わせて映画を探すなど、映画を探しているときから楽しんでいただけるようにしたいと考えています。そこで古い作品に触れ、こういう映画があるんだという発見につなげてもらえたら嬉しいですね。

この記事のポイント

120年以上の歴史を誇る老舗の企業である松竹様の作品ポータルサイトを構築させていただきました!

吉田様をはじめとしてプロジェクトに参加いただいた皆様には感謝をしております。

これまで多くの企業様のサイト制作・システム開発を手掛けてきましたので、過去のノウハウを用いて、実現可能なシステムの制作をご提案させていただきます。

シフトではどのようなお客様のサイトでもパッケージを柔軟にカスタマイズして、ご要望に応じたサイト構築が可能になっております。

UIUX・CMS・マーケティングでお困りの方はぜひ、お問合せいただければと思います。

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ディレクター

重森 侑

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この事例を担当した人

営業

重森 侑

前職では製薬業界で安全性情報管理職に約5年間従事。その後、シフトでは営業・ディレクターとして活動。BtoB、BtoC、サイト種別問わず幅広く担当。

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