
◆テーマ:サイトをリニューアルする前にやっておくべきこと
1、サイトのリニューアルの前にまずするべきこと
サイトをリニューアルする理由、目的は様々にあると思います。
「作ったのが随分前で他のサイトと比べて古臭い見た目のままだ」
「コンテンツが増えすぎてしまってトップページがとても見づらい」
「競合サイトが出現してそちらの方がかっこいい、負けてられない」などなど・・・。
会社によって悩みが千差万別であるように、サイトをリニューアルする理由・目的も会社によって様々。
しかし、どのサイトにもリニューアル前にするべきことが一つだけあります。一体何でしょうか。
それは、「現状のサイトの解析」です。
【Google Analyticsによるアクセス解析】
ご存知かと思いますが、Google Analytics(GA)という無料ツールがGoogleから提供されています。
これは、サイトに訪れてくるユーザーのアクセスを解析するためのツールで、GAの管理画面から発行される「トラッキングコード」を自社サイトに挿入することで数値を取得できるようになります。
このGoogle Analyticsというツール、「知っているし自社サイトにも設定されているけどあんまり見ていない」という方が多いように感じております。
もったいない、実にもったいない。
このGoogle Analytics、使いこなせば実に色々なことがわかるのです。
自社サイトにどこからユーザーがアクセスしてきているのか、
直近三ヵ月、昨年比で見たときに、アクセスは上がっているのか下がっているのか、
など基本的なところから始まって、アクセスしてきているユーザーの「地域」「年齢」「性別」なども分析することが出来ます。
*ユーザー属性を取得するためには、管理画面の「プロパティ設定」タブにある項目「トラッキング情報」から「データ収集」を開き、
「広告レポート機能」などをONにしておく必要があります。
*年齢、地域、性別を掛け合わせてアクセス数を見ることもできます。
このように、いろいろな視点で様々なデータを解析することが出来ます。
使いこなすと実は貴重な情報を探ることができるGoogle Analytics。
では、どのような視点で自社サイトのデータを見ていけばいいのでしょうか?
【流入経路を解析する】
左側のメニューバーから、「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」とクリックすることで、流入経路別のアクセス数値を見ることが出来ます。
流入経路の名前について解説いたします。
【Organic Search】
これは「自然検索」からのアクセスのことです。
グーグル検索エンジン、ヤフー検索エンジンなどが日本では有名ですね。これらの検索エンジンに何らかのワードを打ち込み、自社サイトに流入してきたユーザーのアクセスはこちらにカウントされます。
「Organic Search」をクリックするとどんなキーワードで流入してきているのか見ることが出来たのですが、大半のアクセスワードが「(not provided)」と表示されて提供されなくなってしまいました。
これには、グーグルの検索エンジンのサービスにおいてSSLで通信を暗号化されるようになったことが関係しています。
ただ、「Search Console」というツールでこの流入キーワードがわかるようになっていますので、また違う機会にこの確認方法について記事にしたいと思います。
*1が「(not provided)」になっています。
【Paid Search】
これは「有料検索」からのアクセスのことです。
「検索連動型広告」や「ディスプレイ広告」などに出稿してお金を払い、ユーザーからのアクセスを得たものはここに含まれます。
【Direct】
この「Direct」というアクセスはいくつかパターンがあります。
・URLを直接打ち込んでアクセス
・ブックマーク登録しておいてそこからアクセス
・スマホのアプリからアクセス
・メール本文に記載されているURLからのアクセス、などです。
また、SSL(暗号化)に対応しているサイト(https)からSSLに対応していないサイト(http)にサクセスした場合もDirectになります。
このDirectの内訳を探ることは難しく、サイトの状況から判断するしかありません。
急激にDirectでの流入が増えた場合には、5チャンネルなどの匿名掲示板にURLが記載されてクリックされた可能性もあげられます。
そういったサイトはリンク先に遷移させるときにリファラー情報(参照元サイト情報)を消しているため、アクセス情報がDirectとしてカウントされるのです。
Directからのアクセスが異常に伸びたときは、「匿名掲示板で炎上している」可能性を考えてもいいでしょう。
【Referral】
「Referral」は参照元からのアクセスのことです。
どこかのサイトからアクセスした場合には「Referral」にカウントされます。
「Referral」をクリックすれば、その内訳をみることができます。
【Social】
「Social」はSNSからのアクセスのことです。
Twitter、Facebook、Instagramなどなど・・・。
ただし、グーグルが「Social」として認識しているものに限ります。
日本だけのSNSなどの場合、「Referral」や「Direct」としてカウントされてしまう場合もあります。
大まかなチャネルは以上でしょうです。
「パラメータ」というものを付与すればメールマガジンに記載されているURLからのアクセスなどは識別していくことも可能ですが、今回の記事では割愛させていただきます。
このようにどの流入経路からユーザーのアクセスを集めているか把握し、リニューアル後はどの経路を強化していくのかイメージしましょう。
「Organic Search」からの流入を強めたいのであればSEO対策をしっかりできるサイト構成に、
「Social」からの流入に力を入れていきたいのであればOGPタグを設定できるようにし、かつスマートホンでの見え方にもこだわりたいところです。
【アクセスを集めているコンテンツを調べる】
次に、「自社サイトのどのコンテンツがアクセスを稼いでいるのか」を調べていきましょう。
これにより、残しておくべきコンテンツ、削除していいコンテンツを選り分けることが出来ます。
サイトをリニューアルする際によくありがちなことが、 アクセスを稼いでいたページをそうとは知らずに削除してしまい、リニューアル後にアクセスが激減してしまったということです。
自社サイトのコンテンツはネット上の資産です。それをうっかり削除してしまうのは勿体無さすぎます。
そうならないように、リニューアル前に「自社サイトの稼ぎ頭」をきちんと把握しておきましょう。
【ランディングページを調べる】
GAの左側のメニューバーの「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」で、「ランディングページ」のアクセスランキングを見ることが出来ます。
ここでいうランディングページとは、「ユーザーが最初にアクセスしているページ」のことです。
ランディングとは日本語で「着陸する」という意味です。
ウェブ制作会社がよく言う「LPを作りましょう」とはつまり、「ユーザーに最初にアクセスしてもらえるような構成のページを作りましょう」ということで、本来の意味とは少し違います。
また、「セカンダリディメンション」というメニューで「ページ タイトル」を選ぶと、ランディングページの右隣にそのURLのページタイトルが表示されます。
とても把握しやすくなりますのでお勧めです。
このようにして、ランディングページのアクセスランキングを調べることが出来ます。
また、このときに昨年比で見ることにより状況の変遷を把握することが出来ます。
去年の10月と比べてランディングページの顔ぶれが変わっているならば、その原因を探った方がいいでしょう。
もしアクセス数が落ちているのであれば、そのランディングページに流入している キーワードの検索順位が落ちていることが考えられたり、
競合サイトの出現によりそちらにユーザーを持っていかれている、ということなどが考えられます。
特定のランディングページのアクセス数値は変わっていないけれど、他のページが新しくランクインしてきたのであれば、
よりアクセス数を稼ぐコンテンツを自社サイト内に生み出すことが出来た、ということになります。
昨年と比べることによって、より細かな状況を把握しましょう。
【ディレクトリで見る】
ディレクトリ単位でアクセス数を見るのも、自社サイトの人気コンテンツを把握する上で有効です。
「ディレクトリ」とは、簡単に言うと「フォルダ」のことで、各ページが「ファイル」に相当します。
「ディレクトリ」というフォルダの中にその中に複数のコンテンツ(ファイル)が入っているというようなイメージですね。
シフトのサイトでいうと、
・ https://www.shift-jp.net/(トップページのURL)
・https://www.shift-jp.net/blog/(ブログの記事一覧ページのURL)
この「/bog/」がディレクトリとなります。
「/blog/」という「フォルダ」の中に記事という「ファイル」が複数存在している、といえばわかりやすいでしょうか。
このディレクトリを見ていくことで、自社サイトのアクセスを稼いでいるコンテンツ群がどこなのかわかるわけですね。
GAの左側のメニューバーの「行動」→「サイトコンテンツ」→「ディレクトリ」で、「ディレクトリ」のアクセスランキングを見ることが出来ます。
このとき、サイトの構成によってはメニュー別にうまくディレクトリが表示されないことがあります。
そのときはトップページのURL(GAのデフォルトの設定では「/」だけで表示されています。これはドメインの表示が省略されているからです。)をクリックすると、上の画像のようにディレクトリ一覧が表示されます。
このディレクトリも、昨年比で見ていくことによって状況をより把握できます。
このように、「ランディングページ」「ディレクトリ」で区切って自社サイトを見ていくことによって、アクセスを稼いでいるコンテンツをピックアップすることが出来ます。
次に、ユーザーの動きに注目していきましょう。
【ユーザータイプ別に見る】
左側のメニューバーから、「ユーザー」→「行動」→「新規顧客とリピーター」とクリックしていくことによって、ユーザーをタイプ別に見ていくことが出来ます。
これにより、リピーターと新規ユーザーとのアクセス状況の違いを見ていくことが出来ます。
ただ、この画面だけではあまり取得できる情報が多くはないので、実際にユーザータイプ別に解析していくときには「カスタムレポート」でユーザータイプごとに指標を設定し、どのような行動をしているか分析したり、
「リピーター」「新規ユーザー」でセグメントを作成し、それぞれの「行動フロー」を分析したりします。
その辺の細かなレポートの作成の仕方、見方などはまた別の記事で書いていきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
このように、GAを使いこなすことで様々な切り口で自社サイトを見ていくことが出来ます。
ご紹介させていただいたGAの使い方はまだほんの基本的な部分で、ここからさらに色々な視点、指標でサイトを深堀していくことも出来ます。
GAなどのアクセス解析ツールを用いて自社サイトの分析を行うことで、リニューアル後にどのようなサイトにしていくべきか方向性が見えてきます。
2.サイトをリニューアルした後のイメージを持ちましょう
GAを駆使することで自社サイトがユーザーにどのように見られているかがわかります。
データで見ることによって自社サイトの強み・弱みを分析したら、どこを伸ばし、どこを補強すればいいのかがわかってきます。
それによりリニューアルの具体的な方向性が見えてきます。
自社サイトの強み・弱み
自社サイトの強み、これは例えば先述した「どのコンテンツが見られているか」などが当てはまります。
ある特定のディレクトリが見られているのであれば、トップページはそのディレクトリのコンテンツを前面に打ち出したものにするのも良いかもしれません。
例えば、サイト内のブログに人気がありそこでアクセスを常に一定数稼いでいるのであれば、ブログの新着記事がトップページに表示されるようにする、というようなことが挙げられます。
弱みの部分で言えば、「トップページの直帰率が高い」というようなことが判明したのであれば、グローバルナビの構成などを変更してわかりやすくし、ユーザーの回遊率をアップするというような対策を打つことが出来ます。
ただ、これらの強み・弱みを考えていく上で重要となってくるポイントが一つあります。
それは、「自社サイトの用途はなんなのか」ということです。
サイトの用途を整理しましょう
自社サイトの用途は一体何なのか。
ユーザーにどんな情報を提供して、何を目的に使ってもらいたいのか。
サイトリニューアルにおいて、これを一度整理し、ウェブ担当チームで共有することは非常に重要です。
例えば、通販サイトなのであればユーザーの用途は一つ、「購入」です。
ポータルサイトなのであれば「情報収集」、サポートサイトなのであれば「問題解決」が用途となります。
このようにサイトの種類によって用途は様々であり、それによって「強み・弱みの定義」も変わってきます。
ただどのサイトにも言えるのが、「使いやすいかどうか」ということです。
サイトの用途を整理し、その用途に基づいて自社サイトを見たときに使いやすい構成になっているのかどうか。
これは非常に重要ですね。
また、サイトの用途によって見ていくべきKPIも異なってきます。
KPIを整理しましょう
KPIとは何か?
KPIとは、「Key Performance Indicator」のことです。
「どれくらい成果を達成しているかどうかを図る指数」のことです。
自社サイトを運用していく上で、このKPIを設定して定期的に効果観測していくことは非常に重要なのですが、
このKPIはサイトの用途によって変わってきます。
どういうことかと言いますと、例えばポータルサイトでしたら様々な情報を提供しているわけですからユーザーごとのページビュー数や滞在時間は数値が高い方が良いです。
が、これが問題解決のためのサポートサイトなのであれば、「滞在時間が長い=問題解決まで時間がかかっている」という風に捉えられるので数値が低い方が良いです。
このようにサイトの用途・目的によって見るべき指数、数値の意味合いが変わってきます。
なのでリニューアルを行う前にこれらのKPIも整理し、「何がKPIなのか」、「このKPIをリニューアル後にどういう数値にしたいのか」を明確にした方が良いでしょう。
ここまで整理できれば、あなたの中で明確にリニューアル後のサイトをどうしたいのかという具体的なイメージ像が出来上がっているはずです。
自社サイトの強み・弱み、ユーザーの用途、それに伴ったKPIの整理。
これらを行うことでリニューアル後のイメージがより具体的に見えてきます。
ユーザーのサイト上の導線も思い描けるとより良いかもしれません。
これらを踏まえた上で、サイトリニューアルを依頼する制作会社を探せばより自社のニーズにマッチした会社が見つかるはずです。
3、シフトにお手伝いできること
GA解析レポート作ります。
当社シフトでは、ウェブの制作はもちろん、リニューアル前のサイトの現状の解析サービスも行っています。
GAのタグがすでに入っているのであればすぐにでも、もし入っていなければタグを入れるところからお手伝い出来ます。
このブログで紹介したような切り口の他にも様々な視点であなたのサイトの現状をお調べいたします。
ユーザーはどこからアクセスしてきてどこから離脱しているのか、どのページが主に見られているのか、
どのページを改修していくべきなのか、などなど・・・。
お試しレポートも作成しておりますので、もしお悩みでしたら是非お気軽にご連絡ください。
サイト構成考えます。
シフトでは営業がそのままディレクションも行っております。
最初から最後まで、御社のサイトの流れを追いかけ、責任をもって納品させていただきます。
担当者の方からサイトの用途、どのような構成にしたいかなど細かにヒアリングしていき、最適と思われるサイト構成を提案させていただきます。
そのサイト構成を作って終わりではなく、営業がそれを社内の制作チームに共有して納品までディレクションさせていただきます。
一緒に、御社のユーザーにとって使いやすいサイト構成を考えていきましょう。
マーケティング支援行います。
サイトは作って終わりではなく、その後いかに運用していくかが重要な時代となってきました。
ご希望であれば、運用していく上での広告施策、SEO対策など支援させていただきます。
そしてそれらの施策の効果検証をGAだけでなく様々なツールを使って測定していきます。
マーケティング活動の中に自社サイトを上手く取り入れていき、企業の成果へと繋げていきましょう。
本日の記事は以上です。
まとめると、
・リニューアルをする際には、現状サイトをしっかり測定!
・測定にはGAが便利!
・現状を分析して、リニューアル後のイメージを固める!
が重要です。
もしリニューアルをお考えでしたら、それを機会に自社サイトのコンテンツの棚卸を行い、KPIも整理し、よりクオリティの高いサイトにしましょう!
そしてあなたのホームページのユーザーにより良い体験を提供していきましょう!
何かございましたら是非ご相談ください。
ご精読ありがとうございました。
シフト マーケティング部 木村